第九章 業

80/265
前へ
/1544ページ
次へ
頼賢の視線が、少し右を向いた。その先には、河が拡がり、その奥には森がある。 「六朗。利孝様に、隊を速めるようにと。我らは、朝食前の一仕事が有りそうだ。徒百、騎馬五十を残す。本陣との距離を、縮めてくれ。」 「敵ですか!?」 「構うな。それほど多数では無いと思う。戻れ。近くにいれば、巻き込まれるぞ。百五十の指揮は、三郎兵衛に採らせる。まぁ、不安は有るまい。急げ。」 六朗が頷き、駆け去った。少し経つと、兵糧隊が速く進み始めた。 「頼賢、あの森か?」
/1544ページ

最初のコメントを投稿しよう!

532人が本棚に入れています
本棚に追加