第九章 業

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二つに分かれた徒が、三段に構えた。槍が一段、二段と並び、弓が三段目に構えた。 森から出てきた敵は、ばらばらと向かって来ている。 まとまりに欠け、勢いだけで押してくる。 「弓。足を鈍らせろ。敵の勢いが鈍ったら、全軍五十歩前進。突出した敵を、突き倒せ。」 頼賢の指示を受け、弓が放たれた。敵に備えは無く、多数の兵が倒れている。 それでも、勢いは潰えていない。矢を掻い潜った敵が、声を発して向かってくる。 「ほう、怯まぬな。伊野にしては、鍛えた様だ。押すぞ。槍、構え!敵を突き倒せ!騎馬は待機!必ず、敵の騎馬が介入してくる!姿を見せれば、叩き潰すぞ!」
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