第九章 業

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構わない。前に見える敵だけに、狙いを定めた。 勢いはこちらにある。一つにかたまり、そのまま突き抜けた。 反転すると、敵の半数近くは突き落としていた。 反転した勢いのまま、もう一度突っ込む。頼賢の槍も、敵兵の体に届いた。 突き抜ける。もう一度突き抜けると、騎馬を二つに分けた。 大きく廻り、敵を両側から締め付ける。 百はいた騎馬が、もはや五十にも満たなくなっている。 「締め上げるぞ!伊野は逃がすな!あれだ、あの奧にいるのが、伊野だ!殺すなよ。生け捕れ!」
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