第九章 業

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「ふむ…では、佐々木の先手は、誰が務める?」 「矢武国臣殿。先代の頃からの、重臣だ。それくらいしか、思い付かんな。」 「戦上手か?」 「堅実に、じっくりと攻める。奇策は用いぬが、こちらの奇策も通じまい。そして、驚くほどに、粘り強いぞ。」 「大兵を率いるには、適役だな。厄介な相手だ。」 「堅いぞ。腰を据えた戦になれば、苦しむ事になる。速戦に持ち込みたい所だが、まず応じまい。後は…藤高を焦らせる事だな。」 「ふむ…年明けまでには、帰りたい物だが、そうもいかぬか。新年は陣で迎えるか。」
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