第九章 業

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「立ちたくない、立ちたくないのだが、立ってしまう。そして、また、打たれる。だがな、それが嬉しいのだ。喜ばしく、終わりたくない夢だった。そして、只々、打たれる内に、何も感じなくなった。父と打ち合える事が、嬉しいとしか思わなくなった時に、打ち込めた。そうすると、父が笑ってくれた。生きろ、と、一言だけ、声を掛けてくれた。」 「生きろ、か。流石は、今江兵部殿だ。息子を、どこまでも、見ていたのだ。そして、遂に見かねて、顕現されたのだろう。」
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