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「…忠好。信じてくれるのか?この様な話しは、誰にも信じて貰えぬと、思っていた。」
「何故だ?信じぬ事が無いだろう。お前の父御だ。お前を救うのは、父御以外に、誰がいる?」
「…ありがとう。父は、偉大だった。その父に恥じる生き方を、してしまった。腐り、朽ちかけた。いや、朽ちていたな。それを救ってくれたのは、父であり、重綱殿であり…そして、お前だったよ。」
朝陽の中から、頼賢の顔が見えた。始めて見る、澄みわたった笑顔だった。
まだ若いのだ。そんな当たり前な事を、実感した。
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