第九章 業

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「忠好、お前は、強い。その腕が無くても、武士だ。俺よりも、余程武士だよ。俺ならば、ぐずぐずと悩んだろうな。」 「ふん。落とした本人が、言う事か?悩んださ。首を斬ろうかとも思った。だがな、片腕が無くとも、まだ戦える。そう考えれば、死ねる物かと思ったな。片腕でも、馬に乗れる。片腕でも槍を、刀を使える。死ぬならば戦で、雄々しく死にたくなっただけさ。」 「やはり、強いな。俺が落とした腕だが、誇りに思える、腕だな。忠好、共に戦えることを、誇りに思う。」
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