第九章 業

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「何だ、気色悪い。まあ、良いさ。俺の残った腕が、落ちないように戦ってくれよ。」 「ああ。必ず、お前を驚かせるほどに、見事に戦ってやるさ。おう!利孝様の部隊が見えたな!腹が減った!」 赤々とした空気の中から、兵糧隊の荷車の音が、響いている。 冷気に洗われた視界に、白い息が、塊の様に立ち上っている。 兵糧隊の後部に取りつくと、休止の旗が上がった。 前方から、三郎兵衛の隊が展開してくる。兵糧隊を取り囲む様に、壁を作っている。
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