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「いやいや、俺が思うよりも、見事に動いてくれている。なぁ、忠好?」
「うむ。重綱殿は、相当に鍛えられたのだな。乱れぬ動きは、息が漏れたな。」
三郎兵衛が笑顔を見せた。良く日焼けした肌からは、真っ白な歯が覗いている。
徐々に進軍が止まり、休止旗がはためき、各々が腰を降ろし始めている。
壁はしっかりと出来上がり、兵糧隊が、手早く竈を作っている。
炊煙が上がり始めると、鼻腔に匂いが届いてきた。
「んん、良い匂いだなぁ。腹が鳴っておるわ。忠好、三郎兵衛、共に食べようか!」
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