第九章 業

111/265
前へ
/1544ページ
次へ
「はい。仰せの通りです。頼賢、もう見破られておるぞ?」 「いやはや、慣れぬ事はせぬ物ですな。肩が懲りそうです。」 「はは!良い。しかし、鮮やかだった。少しはこちらにも、敵兵が迫って来るかと思ったのだがな。」 利孝が言いながら腰を降ろした。具足は解いておらず、兜だけを外している。 「何にせよ、助かった。此度は一粒の米も失わない様にしたい。まずは、緒戦は上々だな。」 「はい。まあ、伊野の如き小物では有りましたが、兵を動かす事は出来ました。」
/1544ページ

最初のコメントを投稿しよう!

532人が本棚に入れています
本棚に追加