1 腕に触れて

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「雪乃と離れるのは寂しいんだけど…。公園ランチもできなくなっちゃうね。ごめんね」 「え~そんなこと気にしなくていいよ。子供じゃないんだから大丈夫!」 顔の前で手をひらひらさせながら笑う雪乃だが 歩美は少し心配顔だ。 「雪乃もそろそろ自分の事考えたら?妹さんも勤め先決まったんでしょ?この前お家におじゃました時お母さんも気にしてらしたよ」 「え、いつの間にそんな話…」 …そう言われてもなかなかね。 歩美が結婚するって言ったらもっと心配されちゃうかなぁ… 心の中でつぶやきながらお弁当の一口おにぎりをポンと口に放り込んだ。 「このまま“背中の君”の事見てるだけでいいの?」 「ゴホッ…!」 急にその名前を出されて、ちょうど飲み込んだおにぎりが喉に詰まった雪乃は慌ててペットボトルのお茶を流し込んだ。 苦しくて涙が出た。 ・
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