4 それぞれの気持ち

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慌てて立とうとした雪乃が先にその一瞬を動かした。 澤田もゆっくり階段を降り始める。 急いで立ち上がった雪乃だったが、しゃがんでいたせいか膝に力が入らずぐらりと身体がよろけた。 それを見た澤田は思わずタタッと階段を駆け降りて、雪乃の両腕を掴んで支える。 後ろでひとつに縛ってある雪乃の髪が一筋解けて頬にこぼれた。 「…大丈夫?」 「あ、はい。ありがとうございます…」 雪乃をきちんと立たせて両腕を離す。 雪乃が缶コーヒーを手にしているのに気付いた澤田が 「休憩?」 と訊ねる。 「いつからいたの?」という言葉は飲み込んだ。 「はい。」 俯いていた雪乃が顔を上げて澤田を見上げた。 雪乃の瞳が何か言いたげに揺れたような気がして、澤田は慌てて視線を雪乃の後ろの扉に移した。 ・
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