4 それぞれの気持ち

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「ここ開いてる?」 「…?」 扉を指差して聞く澤田に怪訝そうな表情をした雪乃だったが 「…あ。はい。どうぞ…」 と背にしていた扉の前から体をずらしてくれた。 「永山さんも戻る?」 「いえ、もう少し…」 「そう、それじゃ…」 薄いブルーのワイシャツの肩が雪乃の目の前をすり抜けて、扉の向こうに消えていく。 雪乃は見えなくなった背中を追いかけるように扉を見つめ、歩き出した澤田は閉めた扉を振り返った。 ・
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