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「ここ開いてる?」
「…?」
扉を指差して聞く澤田に怪訝そうな表情をした雪乃だったが
「…あ。はい。どうぞ…」
と背にしていた扉の前から体をずらしてくれた。
「永山さんも戻る?」
「いえ、もう少し…」
「そう、それじゃ…」
薄いブルーのワイシャツの肩が雪乃の目の前をすり抜けて、扉の向こうに消えていく。
雪乃は見えなくなった背中を追いかけるように扉を見つめ、歩き出した澤田は閉めた扉を振り返った。
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