25 ここにいる

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「雪乃さん、高校三年の時にあった事、聞いてる?」 「はい、大体の事は…。」 「そう。…あれはちょっと大きな出来事だったけど、それ以前にすでに女の子が苦手になってはいたのよね。」 「そういえば…会社でも女嫌いじゃないかって噂もありました。」 「えっ、そうなの?」 肯く雪乃に「全く洋介もしょうがないわね。」と美波は困った顔をしてみせた。 「原因は、そうね、まず幼稚園に入ってすぐに、同じクラスの女の子から追っかけ回されて、暫く通えなくなったの。すごく怖かったんですって。」 「……」 「小学生になってサッカーを始めたら、はっきりモテてきて、バレンタインのチョコ真面目に食べて蕁麻疹出たり。」 雪乃があっという顔をして呟いた。 「私、チョコあげちゃいました。」 「あはは、今は平気よ。大人だし。」 「それから中学、高校もかなり告白されてたけど、断られた女の子が諦めてすぐ別に彼氏作ったりするの見て「どうせ本気じゃないんだよな」って冷めてたみたい。」 「…色々あったんですね。」 雪乃は楽しそうに達也とパスをしている澤田を見つめて呟いた。 ・
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