3351人が本棚に入れています
本棚に追加
/466ページ
「雪乃さん、高校三年の時にあった事、聞いてる?」
「はい、大体の事は…。」
「そう。…あれはちょっと大きな出来事だったけど、それ以前にすでに女の子が苦手になってはいたのよね。」
「そういえば…会社でも女嫌いじゃないかって噂もありました。」
「えっ、そうなの?」
肯く雪乃に「全く洋介もしょうがないわね。」と美波は困った顔をしてみせた。
「原因は、そうね、まず幼稚園に入ってすぐに、同じクラスの女の子から追っかけ回されて、暫く通えなくなったの。すごく怖かったんですって。」
「……」
「小学生になってサッカーを始めたら、はっきりモテてきて、バレンタインのチョコ真面目に食べて蕁麻疹出たり。」
雪乃があっという顔をして呟いた。
「私、チョコあげちゃいました。」
「あはは、今は平気よ。大人だし。」
「それから中学、高校もかなり告白されてたけど、断られた女の子が諦めてすぐ別に彼氏作ったりするの見て「どうせ本気じゃないんだよな」って冷めてたみたい。」
「…色々あったんですね。」
雪乃は楽しそうに達也とパスをしている澤田を見つめて呟いた。
・
最初のコメントを投稿しよう!