4 それぞれの気持ち

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「心配かけてすみません。 自分でも最近何だか変だなぁとは思ってたんですけど、会社では気を抜かないように頑張りますね。」 「いや、仕事でミスしたわけじゃないし…。 そういう事なら安心したよ。 お兄さん帰って来て良かったな。」 鳥海がそう言うと、雪乃はにっこり笑って頷いた。 「はい、ありがとうございます。」 「さて、じゃあ残りを片付けるか…。」 腰掛けた脚立からポンっと立った鳥海に、備品のリストを手にしながら雪乃が聞いてきた。 「鳥海さん、もしかして歩美から私のこと頼まれたりしました?」 「え、ああ、よろしくとは言われたけど…。」 「やっぱり…。どうも歩美から見ると、私は頼りないみたいなんですよね。」 「二年間ずっと一緒にいたから心配なんだよ。それに木本に言われたから気にしてるわけじゃないし…」 「そうですよね、鳥海さんはいつもみんなに気を配ってくれて… 会社にも頼れる兄がいるみたいで心強いです。」 そう言って笑う雪乃に鳥海は複雑な思いで笑い返した。 「…兄貴にはなりたくないんだよ…」 そう言いたいのに言えない自分が情けなかった。 ・
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