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「泣かれちゃいましたよ。
怒ってもいましたけどね。
全否定されたみたいだって。」
「そういうわけじゃないけど…」
「何がダメなんですか?あんなに可愛いし、案外真面目ですよ。」
澤田が書類を机の上に置いて山崎を見ると、思いの外真剣な顔をしていた。
「わかってるよ。本当に可愛いと思うし、きっと良い子なんだと思うよ。でも、やっぱり…」
「あ~、分かりましたよ。」
こんどは山崎が呆れ顔になった。
「なんでそんなに壁作っちゃうんですかねぇ…。
まあ仕方ないですけど、断る時には彼女がいるからとか、
あ、これは無いって分かってるからダメか。鳥海さんとの仲をからかわれる位だし…」
さっきの社員食堂で笑われたのはそういう事だったらしい。
「せめて好きな人がいるとか言えば、断られた方も傷つき方が違いますよ。」
それを聞いた澤田は何か考える様子で
「そうだな、これからはそう言うよ。」
と少し笑って答えた。
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