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「そうだったとしたらなんなの?まさか沙織が心配?」
「バカ言ってんじゃないわよ。あたしが心配してんのは桜ちゃんよ」
「桜ちゃん?」
「どうせあんたの事だから適当にごまかして逃げてるんじゃないかってね」
ギクリと響の肩が動く。
「そ、そんなわけないでしょ!!!」
「ふーん?」
沙織の言い方は響の心を見透かしたかのようだった。
「まっ別にどうでもいいけど。桜ちゃん泣かしたらあたしが許さないから」
「なんであんたが…」
「なんでもよ。それより例のドレス出来てるから」
「そっか。どんな感じ?」
「あたしが仕立てたのよ?完璧に決まってるじゃない」
「まぁだから沙織に頼んだんだけどね」
ドレスを取りに行く時間だけを決めてから響は電話を切った。
────────実際。
佐々木監督が結婚したい相手がいることはあの日に知っていた。
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