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でも…。
「でも僕怖いよ」
「え？」
話しながら涙がポロポロこぼれ落ちる。
「僕は今まで、人に嫌われて生きてきたから。高峰くんが好きって言ってくれて、すごく嬉しいし幸せだけど、いつかこの幸せが消えてしまうんじゃないかって不安で怖くて…」
「カナ…」
僕みたいなのよりいい人はいっぱいいる。
キスの仕方も知らなくて戸惑ってばっかで、他人に笑われるような男だし、すぐに嫌気が差すに決まってる。
ずっと考えないようにしてきたけど、涙と一緒に溢れてきた。
「バカ。不安になるなって言っただろ」
「だって…」
彼は僕の言葉を遮るように優しく抱きしめてくれた。
「先のことなんて分からないけどさ。今、カナが好きだと思うこの気持ちは確かだし。それで十分なんじゃないかな」
「……」
「だいたい、不安なのはお前だけじゃないんだ。俺だって、お前に愛想尽かされんじゃないかってヒヤヒヤしてんだよ」
「嘘…」
「本当だよ。幻滅されたらどうしようとか考えるし。今だってほら、心臓ドキドキしてるし。な？」
「うん…」
いつも自分の鼓動がうるさくて、彼の鼓動まで感じる余裕はなかったけど、彼もドキドキしてたんだ…。
「頼むから、もう俺から離れないでくれよ」
彼の腕に少し力が込もった。
「俺、我慢も遠慮もしないって言ったよな。カナが嫌だっつっても、ぜってー離さねぇから、覚悟しとけよ」
「うん…」
愛想尽かすはずがない。
幻滅なんてするわけない。
僕にとって高峰くんは特別で大切な存在なんだから。
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