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彼は優しかった。
ずっと僕を気遣ってくれて、彼の愛情を感じることが出来たと思う。
でも驚いたのが、彼の指があらぬところに触れた時だった。
「いっ!そ、そこに入れるの!?」
「うん。やっぱり痛いよな」
痛いっていうかそりゃ痛いけど、絶対無理だよ!入るわけない!
「ごめん…慣れるまでキツいかもしれないけど、俺を受け入れて」
「……」
そんな顔で、そんなこと言わないでほしい。
僕は受け入れるしかないじゃないか。
「…高峰くん…」
ぎゅっとしがみつくように腕を回して、
「…好き」
小さく小さく呟いた。
「…カナ…」
「んっ…!」
正直痛さは想像を遥かに越えていて、裂けるんじゃないかと思った。
でも、何度も好きだと囁く掠れた声が耳に心地良くて、この熱さが愛しさを滲ませて身体を浸透してくるように感じた。
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