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「大丈夫か?」
「……大丈夫じゃないよ」
動けない。色んなところに力が入ってたし、一気に緊張が解けてどっと疲れが…。
「そうだよな…ごめん。無理させて」
うつ伏せのままぐったりしている僕に、彼は申し訳なさそうにそう言った。
「謝らないでよ…。僕は後悔してないよ。ていうか…う、嬉しいし」
何だか照れくさくなって口ごもりながら言うと、
「カナ……!」
彼はガバッと僕に覆い被さろうとしてきた。
「わっちょっ…揺らさないで!響く!」
「あっ、ごめん!」
僕が訴えるとパッと離れてくれた。
こんなんでこの先大丈夫かな。
慣れるまでって、いつ慣れるの?
色気も何もあったもんじゃないな。
「なあ、今日は泊まってくよな?」
「え…でも…」
「泊まっていってよ。このまま帰したくない」
彼は僕の手を握った。僕の身体を心配してくれてるんだね。
「わかった」
この状態じゃ歩くのも大変だろうし、お言葉に甘えさせてもらおう。
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