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「……何か僕たち、せっかくの夏休みなのにどこにも出かけてないよね?」
夏休みが始まり、二週間が経とうとしていた。
「あれ、そうだっけ?」
「そうだよ!しかも高峰くん、宿題全然進んでないでしょ!」
「えーそんなことねぇよ」
「あるよ!」
一緒に宿題しようって言ったのは高峰くんなのに。
会うとすぐそういう感じになって、結局宿題せずに終わったり。
別にそれが嫌なんじゃないけど…。
高峰くんの行きたいところに連れて行ってって、前に言ったこと、覚えてくれてないのかな…。
「ごめんカナ。怒んなって。花火大会には一緒に行こうな?」
花火大会…。
「うん!」
そっか。お祭りがあるんだ。
屋台回って二人で花火を見て…すごい楽しみ!
「カーナ」
「ダメ!宿題するの!」
「えーカナ冷たい」
「高峰くんがだらしないんじゃんか」
「言うようになったな。七瀬に似てきたんじゃねぇ?」
「光栄だね」
「マジかよー」
この夏休み、僕たちはほぼ毎日会っていて、だいぶ打ち解けた関係になれたと思う。
彼の部屋でイチャイチャするのを密かに憧れていたので、まさに恋人って感じだ。
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