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夜一に背を向け、とぼとぼとドアの方へ向かう礼央羅の背中に、夜一が付け加えるように話す。
夜「あ、そうそう、蒼子にはもう話してあるからね」
礼央羅は驚いて夜一の方に体を向き直す。
礼「お母さん知ってるんですか!?」
夜「もちろんよ。寮にも入るし、学校も変わるんだから、蒼子には言っておかないと」
――蒼子(そうこ)とは、礼央羅の母であり、夜一の従姉妹である。
礼「‥お母さん、何て言ってました?」
夜「『礼央ちゃん、アイドルになるの?すご~い、お赤飯炊かなきゃ!』って言ってたわ」
礼「お母さん‥なんてのんきなの‥」
この血筋は‥と礼央羅は心の中で小さく突っ込んだ。
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