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「お前ってなんでこんなことしてんの?悪霊?」
「あ、ああ悪霊なんかじゃあ、ありません!!私は自分の仕事をしていただけです」
「仕事?」
「まぁ、少し長くなるんでお茶でも飲みませんか?あ、わたし紅茶がいいです。砂糖は多めでお願いいたします」
えっ!?という顔をしていると机の前で幽霊はニコっと笑い両手をバタバタさせている。
入居日なのに、どうしてこうなったんだろうか……。そんなことを考えながら湯を沸かしていた。
「ほれ、紅茶」
机の前に置くと幽霊は、満面の笑みで俺に言った。
「ありがとうございます♪」
この時、年齢イコール彼女いない歴イコール18という俺は、不覚にも可愛いと思ってしまった。
「で、仕事って?」
「あ、驚かずに聞いて下さいね?わたし……こう見えても幽霊なんですよ。それで成仏する為に人を驚かせているんですね。それで、めでたく最後の一人があなたなんです。だから、わたしを成仏させる為に驚いてください」
「なぁ……驚かずに聞いて下さいってお前、驚かす気ないだろ?」
「あ……そ、そそれは言葉のアヤです!!なので、驚いてください。今までここに来た人はみんな驚いてくれました」
もしかして、ここの家賃がものすごい安い理由はコイツのせいなのか?俺は騙されたのか?
「今までも、うらめしやーって言って驚かしていたのか?」
「いいえ、今までは皆さんわたしのこと見えなかったんで、いない間にお部屋を片付けたり、お掃除したりしたら、皆さん怖がって出ていきました」
見えないやつからしたら心霊現象でしかないわな。うん、俺でもビビると思うが……。なんか間違えている気がする。
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