☆プロローグ

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その時初めて私たちが暮らしている、この地球が人工的に作られた物だと知った。 地球は私たちが生まれる、三十年前に滅んでいることを知り、ショックで一時期家族やその他の大人たちと口を聞かなかった。いや、聞けなかった。 そんな私のことを唯一わかってくれた人がいる。 その人は、私の姉である。実の姉ではないが、本当の姉妹のように仲が良く、私のことを可愛がってくれ、 その優しさは、私が結婚してからも、姉が結婚してからも変わらない。 大好きなたった一人の本当に家族と言えた人。 それほど、私は自分の親や大人達を許せなかったのだ。でも、今思えば、優しさだったのかもしれないとも思う。だが、歴史を書き換えることは無かったのではないかと思う。 自分達のせいで、この様な世界になってしまったことをきちんと反省して次の世代に受け継ぐべきだったのではないかと私はずっと悩んでいた。 大人達も悩んでいたのは知っていた。 だが、許せなかった。 許そうと努力はしたが、どうしても許せなかった。 ただ、時だけが過ぎてしまった。
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