深紅の薫り

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   張り付いた髪の隙間から覗きた背後には、ニヤニヤとやらしい笑みを浮かべた男達が、私の左肩越しに見えた。  どうし……て? 「おい、見ろよコイツ毛がなげぇーしサダコみてぇじゃね?」 「つか、なんか汗とか鼻水でぐちゃぐちゃで顔クソキタネェんだけど。二時間前まであんなカワイかったのにクソウケるぅ」 「なになに? もしかオマエ『なんで後にいるのぉ!』とか思っちゃってる系ぇ?もしか?」 「ちゅうか、アレじゃね。歩ってついて来てたの気付かなかった的な?」 「うっわヤバくね? それだったらコイツすげぇバカじゃねえのぉ? 」
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