深紅の薫り

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……お尻の……下……? そう言えば……あったかいなぁ…… 「だから寝るなっつってんだろぅがぁ。……スゥー……お き ろ お――――っ!!!!」 「ひゃうっ! ごめんなさいぃ…………あ……」  目を開けると、そこにはサラサラの金髪で、紅いライダースジャケットを着た男の人が顔の釣り上がった蒼い眼が、私の顔を覗き込んでいた。  その人は酷く不機嫌そうで恐い表情をしている。  だがそれでも…… 「……カッコ……イイ……ケホッ、ケホッケホッ」 ……あ、そうだ! ……あの人達は……?  暗がりの中、目を凝らして辺りを見回すが、目の前のこの人しか見えないし、話し声も聞こえない。  この人助けてくれたのかな……?
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