ピアノがくれたもの

―１―

まぁこんなどんくさくてダメダメな私が沙希ちゃんみたいになれる筈がないんだけど…。

「何眉間にしわ寄せてんの？」

「私も沙希ちゃんみたいになりたいなぁー…なんて…」

「なーに言ってんの！志穂は志穂だからいいんじゃん」

「…？よくないよー…」

「ちっこくてドジで可愛い志穂があたしは好きだよ」

「はは…ありがとー」

私は変わりたいんだけどなぁ…

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放課後。

こんな私でも一応部活には入っている。

ガチャ…

「失礼しまーす…」

バタンとドアを閉めて歩こうと思ったのに進まない。

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