少女来日

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「がはッ!!」 壁に叩き付けられてから、ファンイルは自分がディアウス・ピターに殴られたことに気付いた。 ダメージと通電によるショックで体がホールドして動けない。 視界の端でゼウスが別のピターの攻撃を受けて頭部を潰されて殺された。 (2体もピターが……!!) ホールドが解ける前に、ピターの前足がファンイルを凪ぎはらって、もう一匹のピターの前に転がさせた。 もう一匹のピターは咆哮と共に雷撃を放射して、更にファンイルの体に電撃を浴びせかける。 「あがあああ!!」 完全に全神経が感電し、ファンイルは体の全ての自由を失った。 更にもう一撃電気の塊がファンイルの体に炸裂し、四肢の神経を焼き切った。 ピターは少し小突いてファンイルが完全に動けなくなったのを確認すると、ファンイルを置いてゼウスを食べ始めた。 (なんで……とどめを刺さない……) ゼウスを食べ終わると、横たえているファンイルの足側と頭側にピターは移動した。 「何を……する気?」 足側のピターがファンイルの下半身をくわえ込んだ。 (あ、私、食べられ……) しかしピターはそのまま咀嚼せずに顔を上げた。 ファンイルの上半身がだらりと地面に垂直に垂れ下がる。 ファンイルの目に逆さまになったもう一匹のピターの顔が映った。 ピターはニタリと笑うと、大口を開けてファンイルの上半身に迫る。 「ひ……いや……」 ピターはファンイルの上半身をくわえ込んだ。 これで、ファンイルは二匹のピターの口の中に上半身と下半身をそれぞれくわえられたことになる。 そしてそれぞれのピターはゆっくりとファンイルの体を引っ張り始めた。 「いや、止めて、痛い!! 千切れちゃう!! あああああ゛あ゛あ゛あ゛!!」 ファンイルの体が軋み、体組織がブチブチと千切れていく。 「ぎゃああああああああ!!」 しかし、そこでピターは引っ張るのをやめて、今度はファンイルの体を甘噛みし始めた。 (こいつら、私をいたぶって、楽しんでいる……!?) 甘噛みと言っても鋭い牙のそれがファンイルの柔肌を引き裂き、苦痛を与える。 「ぎいいいいいいいいい!!」 更に粗いヤスリのような舌がファンイルの体を削っていく。 ファンイルの絶叫が教会にこだました。
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