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「ごめんなさい……
ごめんなさい……」
何度も繰り返す謝罪の言葉に、青年は何度も「大丈夫」と囁いた。
キルが落ち着いてきた頃、青年はキルを離し、こう提案した。
「ねえ、一緒にお風呂に入らない?」
突然の申し出にキルはキョトンと青年を見上げた。
「ほら、体洗わないといけないだろ?
それから僕は見ての通り、左手がないもんだから頭を洗うのがちょっと難儀でね
手伝ってくれない?」
人当たりのいい青年の笑顔に、キルはコクリと頷いた。
それかたキルは青年とお風呂に入り、流しっこなどをした。
少しずつ、キルは青年に小さな笑みを見せるようになって行った。
そして、湯船につかり、百数えて出た。
「いいお湯だったねー」
「気持ちよかった……」
「何か飲む?」
青年は冷蔵庫を覗き込みながら問いかける。
「あ……ホットミルク……」
咄嗟にその単語が出た。
青年は笑顔でいいよーと答え、冷蔵庫から出したミルクを温め始めた。
「突然こんなとこに連れてこられて驚いてるでしょ?」
青年の問いにキルは素直に頷いた。
「アハハ
だよね
でも安心して
僕悪い奴じゃないから」
「悪い人は……
こんなによくしてくれたり、死に掛けてた子供助けないから……
助けてくれて……
ありがとうございます」
キルはペコリと頭を下げる。
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