第2話 片腕のない青年

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「ごめんなさい…… ごめんなさい……」 何度も繰り返す謝罪の言葉に、青年は何度も「大丈夫」と囁いた。 キルが落ち着いてきた頃、青年はキルを離し、こう提案した。 「ねえ、一緒にお風呂に入らない?」 突然の申し出にキルはキョトンと青年を見上げた。 「ほら、体洗わないといけないだろ? それから僕は見ての通り、左手がないもんだから頭を洗うのがちょっと難儀でね 手伝ってくれない?」 人当たりのいい青年の笑顔に、キルはコクリと頷いた。 それかたキルは青年とお風呂に入り、流しっこなどをした。 少しずつ、キルは青年に小さな笑みを見せるようになって行った。 そして、湯船につかり、百数えて出た。 「いいお湯だったねー」 「気持ちよかった……」 「何か飲む?」 青年は冷蔵庫を覗き込みながら問いかける。 「あ……ホットミルク……」 咄嗟にその単語が出た。 青年は笑顔でいいよーと答え、冷蔵庫から出したミルクを温め始めた。 「突然こんなとこに連れてこられて驚いてるでしょ?」 青年の問いにキルは素直に頷いた。 「アハハ だよね でも安心して 僕悪い奴じゃないから」 「悪い人は…… こんなによくしてくれたり、死に掛けてた子供助けないから…… 助けてくれて…… ありがとうございます」 キルはペコリと頭を下げる。
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