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「どういたしまして
せめて君が一人で働けるようになるまでは僕のとこに居てもらうつもりだから覚悟してね」
ニッコリと青年は笑った。
「めっ迷惑に……「子供はそんなこと気にしなくていいんだよ
それに……僕は一人で寂しいんだ
居てくれない?」
青年は「駄目?」という風に少し眉を下げ、首を傾げた。
その様子にキルは頷くしかなかった。
「ありがとう」
ニッコリと嬉しそうに笑い、「はい」とキルの前にマグカップを置く。
「出来たよ、ホットミルク」
「ありがとう……」
キルは一口ホットミルクを口にする。
だが、いつも飲むホットミルクの柔らかな甘みがなく、物足りなく感じ、じっとホットミルクを見つめていると、青年はそれに気付き、問いかけた。
「どうしたの?
熱かった?」
キルはすぐにぶんぶんと首を左右に振った。
「ただ……
自分が飲んでたホットミルクと違ったから……」
「何が違うの?」
「ハチミツが入ってたから」
「ハチミツ?
うーん……ハチミツなんて滅多に使わないから買ってないんだよね
ハチミツ入りホットミルクか……
おいしそうだね
今度買ってくるよ」
「でも……「僕が買いたいんだから文句言わない」
青年はキルの顔の前に指を突きつけ、ニコリと笑った。
この笑顔には勝てないなあとキルは頷き、ホットミルクを飲んだ。
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