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「さて……
部屋放置したままお風呂入ったから片付けないとね」
キルはハッと自分のしでかしたことを思い出す。
「ごっごめんなさい……」
「ハハハッ
大丈夫だよ
でも、片付け手伝って貰えるかな?」
キルはコクコクと何度も頷いた。
「よし
ああ、そうだ
君の名前を聞いてなかったね
名前は?」
答えようと口を開きかけたキルだったが、ためらう。
これからの自分は家族と共に笑い合って生きてきた自分じゃなくなる。
復讐のために生きる……
そんな自分が両親のつけてくれた優しい名前など名乗れない。
今からの自分に相応しい名前……
「キル」
そう一言名乗った。
その瞳に無意識に憎しみの色を見せて。
青年は少しの間沈黙し、少しだけ悲しげに笑った。
「そう……
僕の名前はカイン
カイン=ラシュベル」
「カイン……?」
「んー……呼び捨てっていうのもな……」
カインの年は25。
キルは7歳だ。
若いお父さんでもいけそうな年齢な気さえする。
それで呼び捨てというのは……。
うーんとカインは悩み、ポンと手を叩いた。
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