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カインのうちにあったのは剣だけだはなかった。
ナイフ、銃、手榴弾……バズーカに加え、大砲まで見つけた時にはキルも仰天した。
カインは「武器マニアなんだ」と笑い、使い方などもキルにこと細かく教えた。
キルには分からないその美しさがどーのというのも、一つにつき一時間近く言われた。
何度も何度も聞かされていくうちに、キルは洗脳され、いつの間にか、兄と武器について語り合えるようになって行った。
主な体術も兄カインから教わった。
初めてカインとキルが出合ってから八年が過ぎたこの日も剣の稽古中だった。
「ハアア!!!」
ガキイイン!!!
覇気と共に振り下ろされた剣をカインは受け止める。
「振りが大きい!!」
剣を流され、キルの腹部に蹴りが迫る。
キルは避けきれず、大きく後ろに吹っ飛んだ。
カインは手ごたえのなさに気付く。
あんなに派手に跳んだのは自分で跳び、カインの蹴りの威力を半減させたのだと悟った。
「成長したね……
キル」
「八年近くもずっと鍛錬してもらってりゃ嫌でも実力はつく」
「ハハッ
そうだね
それじゃあ……
こっちから行くよ!」
ザッとカインが踏み込んだ。
だが、
「!
ゴホッゲホゲホッ!!」
カインが突然膝を着き、激しく咳き込み始めた。
「カイン!?」
キルはすぐにカインに駆け寄る。
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