第3話 兄の異変

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「お兄ちゃんは……?」 「こんな時によくそんな事気に出来るな 大体兄ちゃんなんて最後読んだの随分昔だろ というか、まだ風邪治ってなかったのかよ」 最近カインはよく咳き込み、寝込んでいた時も何日かあった。 「今日の鍛錬は終わろう とりあえず中で休んでてくれ 俺町に行って薬買ってくるから」 「いや、寝てれば治るから」 「治らねえよ! 現に今治ってねえだろ とにかく! カインが治らねえと、俺の修行が出来ねえんだから早くよくなってくれねえと俺が困るんだよ」 キルはカインの腕を肩に回し、立ち上がらせた。 「昔はカインお兄ちゃんとかカイ兄とか行ってちょこちょこついて来てたのに…… いつの間にかこんなに不良になって……「不良じゃねえよ!!」 そんな会話をしながらキルはカインをベットに寝かせた。 「薬買ってくるからおとなしく寝てろよ!」 「はいはい」 キルはビシッと最後に念を押し、出て行った。 カインは心配性な弟の様子に苦笑した。 その時 「ゲホッ!!ゴホゴホッ!!」 再び激しく咳き込み、体を丸めた。 口元に当てた手の平を見ると紅い血が散っていた。 「……キル…… 言えなくてごめん…… この風邪は…… どんな薬を使っても治らないんだ…… ごめん…… 僕は……君が大人になるまで一緒に居れそうににない……」 そう呟き、また激しく咳き込んだ。
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