第2話 片腕のない青年

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「うわぁぁぁあ!!」 キルは勢いよく起き上がった。 それと同時に右目に激しい痛みが走る。 痛みが落ち着いて来た頃そっと周りを見回す。 全く見覚えのない部屋。 必要最低限の物しかない質素な部屋だった。 その時、カチャッとドアが開いた。 「気がついたかい?」 キルは相手を見て驚いた。 優しい笑みを浮かべる二十代前半のその青年の左腕は……肩から何もなかった。 「驚かせちゃったかな……」 少し困ったように苦笑する青年。 その青年の右手にはトレイの上にスープと水があった。 「君は3日間眠ってたんだ 起きてくれてよかったよ これ、コーンスープなんだけど飲めるかな? とりあえず水で胃を慣らしておきなよ」 トレイがキルの居るベットの近くの小さな台の上に乗せられ、水を差し出された。 「ありがとう……」 微笑んでくれる青年から水を受け取り、喉を潤した。 水が体中に染み渡るような感覚だった。
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