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「うわぁぁぁあ!!」
キルは勢いよく起き上がった。
それと同時に右目に激しい痛みが走る。
痛みが落ち着いて来た頃そっと周りを見回す。
全く見覚えのない部屋。
必要最低限の物しかない質素な部屋だった。
その時、カチャッとドアが開いた。
「気がついたかい?」
キルは相手を見て驚いた。
優しい笑みを浮かべる二十代前半のその青年の左腕は……肩から何もなかった。
「驚かせちゃったかな……」
少し困ったように苦笑する青年。
その青年の右手にはトレイの上にスープと水があった。
「君は3日間眠ってたんだ
起きてくれてよかったよ
これ、コーンスープなんだけど飲めるかな?
とりあえず水で胃を慣らしておきなよ」
トレイがキルの居るベットの近くの小さな台の上に乗せられ、水を差し出された。
「ありがとう……」
微笑んでくれる青年から水を受け取り、喉を潤した。
水が体中に染み渡るような感覚だった。
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