第2話

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「うお"ぉ"い"!!! 何してんだぁ!!?」 スクアーロはザンザスから少女を引き剥がし抱き上げる。 「そうだよ~ ボスにそんな事したら、襲われちゃうよぉ~」 うしししと笑うベル 「ふへ?飼育係の人がね、キスは感謝の気持ちが伝わりやすいって言ってたから・・・」 伏せ気味で言う少女。 「そいつぁ・・・3枚に下ろしてやる・・・」 「無理だよぉ~ 飼育係さんは死んだもん」 少女は言った。 「俺が・・・殺したからか?」 そう言うスクアーロに少女は首を横に振った。 「違う、私が殺した・・・ 飼育係さんとはずっと一緒で、色々な事を教えてくれた人なの。 あの人だけは私の事を兵器としてじゃなく、1人の人間として見てくれた人・・・ 私が兵器として完成する為には感情を・・・心を捨てる事だったの・・・ だからわざと研究所の人は、私と飼育係さんを仲良くさせた。 私が5、6才くらいの時 こいつを殺せって言われて・・・ 顔は知らなかったけど、声で飼育係の人だって分かって・・・ 飼育係の人を殺して心を失った。 私の事を良くしてくれた人なのに・・・ 飼育係さんを殺して初めて、私は最強の兵器に変わった。 その時初めて涙を流したの。 どんな殺しより辛かった。 その時・・・かな 大切な物を失う事がこんなに辛い事なんだってわかったの。 それ以来涙なんて物忘れた。 私がね、全ての事を教えてもらったのは、飼育係さんが死ぬ前夜に、兄様の事も私の事も教えてもらった。 とっても優し声だったの。 殺される事を分かってたのに・・・ だから・・・もうその人はこの世にいないよ」
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