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昼休みも、相変わらず桂木さんからの視線は感じた。
ただ違ったのは、その視線が今までよりも強く感じたことだ。
「……なんか、いつもに増してお前の方見てるな。みかんちゃん」
「佐藤が好きなんじゃねーの?」
「……ハァ」
ため息しか出ない。
午後の授業は真面目に受けた。
桂木さんからの視線を、わざと無視しながら。
……下校のときもやっぱりついてくるのかな。
キーンコーン、カーンコーン。
そして、下校。
「亮太、帰るぞー」
帰るぞと言われても、クラブ組の奴らとは校門まで。
それからは、一人になってしまう。
あー、やっぱり。後ろから足音が聞こえる。
この路地を通って帰るのは、いつも俺だけのはずなのに……。
チラッと、後ろを見る。
あー……いる。電信柱とかに隠れながらついてきてる。
これじゃ、まるでストーカーされてるみたいだ。
「……」
結局、そのまま桂木さんに後をつけられながら家に帰った。
変に絡むとアレだし、こういうのは無視するのが一番。
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