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「今……俺と桂木さんが付き合ってるって、噂流れてるんだって」
返事は無かったが、気にせず言葉を発する。
何で急にこんなこと桂木さんに言ってるんだろ。
「それ聞いて……どう思う?」
何で急にこんなこと桂木さんに聴いてるんだろ。
わからない。ただ、気付いたら声を出していて、桂木さんを呼んでいて……。
いつまで経っても返事が帰ってこないので、身体を後ろに向ける。
しかし、そこにいたはずの桂木さんの姿はどこにもなかった。
あれ……さっきまでいたはずなんだけど。
まあ、いいか。
あまり気にせず、再び歩み始めた。
◆◇◇
「桂木さん?」
ッ……初めて、こうして一緒に帰り道を歩いてて初めて、佐藤君から話し掛けてくれた。
「ぁ……」
あまりに急なことで、上手く返事が出来ない。
「今……俺と桂木さんが付き合ってるって、噂流れてるんだって」
───ドクン。
……え?
「それ聞いて……どう思う?」
驚きのあまり、思わず路地へ隠れてしまった。
私と……佐藤君が付き合ってる?
ドキドキしてる……。そんな噂流れてたんだ、全然知らなかった。
……ちゃんと調べておかなくては。
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