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そのためにも、今度の佐藤君の誕生日。絶対佐藤君に喜んでほしいから。
頑張って作ろう。誕生日ケーキ。
大丈夫かな。自信無いな。
でも、一生懸命作れば、きっと気持ちは伝わるよね。
話が逸れてしまったので、ここで修正。
私が逆の立場から、どんなに不味いケーキだとしても、佐藤君からもらったということだけでお腹一杯になる。
だからきっと大丈夫。
佐藤君も、そう感じてくれるはず。
だって、私達は両想いなんだから。
【私的主観,佐藤亮太の考察。結果】
佐藤君は、私が大好き。
以上。
』
「…………」
5月上旬。
放課後の教室。掃除の時間。
日直、佐藤亮太,桂木梓。
桂木さんの机の中のプリントを落としてしまったと思えば、とんでもないものを読んでしまった。
……ここに書いてる『佐藤亮太』って、俺だよな。
うわあ……俺の過去全部バレてる。
事実と違うところがいっぱいあるけど。
……さて、教室の扉から顔だけを出してこっちを見ている桂木さんは華麗にスルーして、何事も無かったかのように掃除を再開しよう。
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