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図書室なら集中出来るし、何か勉強しなくちゃいけないって気になるしね。
「亮太さん、さよならー」
「さよならー」
「ういっす」
ガラガラ。
……誰もいない。
真ん中の机……六人掛けの机だけど、いっか。一人で座っても。誰もいないし。
ワークと教科書、準備良し。
うし、やるか。
次の記号を繋げ……
「……くん」
羅生門は……芥川龍之介。
「さ……くん」
こゝろは……あれ? 夏目漱石だったような……
「佐藤君」
……呼ばれた。
誰? 人が勉強してるときに……。
「何、ちょっと忙しい───」
と文句を言いながら振り返り、後ろにいたのは……
「みかッ……桂木さん」
なんと、両手に国語の教科書とノートを抱えた桂木さんだった。
危ない危ない……急なことで思わずみかんちゃんって言うところだった。
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