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♪~♪♪
6時20分。目覚まし代わりに使ってる桂木さんからのメールを受信。
『おはよ。今日の弁当、あまり期待しないでね』
いつもは『おはよ』の三文字だけだけど今日は違った。
自信ないのかな。昨日のカレーも……無味だったし。
ま、あれはあれですごいと思うけど。
今日はみかんちゃんが弁当を作ってくれる。ということ頭に入れながら朝食を食べる。不思議といつもより味がしっかりしてる気がした。
朝食を食べ終えてからお母さんに適当な理由をつけて弁当はいらないと伝えてから、歯を磨く。
桂木さんに作ってもらう、何て言えばどうなるか。
鏡の前で制服に着替えて、普段はあまり気にしない寝癖が少し嫌に感じた。
「行ってきまーす」
弁当の入っていない指定バックを持って家を出る。
すると、家の前にオレンジの布で巻かれた小さな弁当が置かれていた。
すぐにわかった。みかんちゃんだって。
弁当を手に取って左右に視線を向けると、路地からはみ出てる白い髪とスカート。
「ありがと、桂木さん」
桂木さんに礼を言ってから指定バックにしまい、学校に向かった。
学校について、いつも通り友達と話してるといつの間にかホームルームが始まってて、いつも通り気の向かない授業が始まって。
でも。
指定バックにみかんちゃんが作った弁当が入ってると思うと、昼休みが少しだけ楽しみだった。
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