柑橘系女子

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「あ、ごめんなさい……。勉強、邪魔した?」 「ううん、大丈夫。桂木さんも……勉強?」  教科書を見ながら聴くと、黙って二回頷いた。 「そうなんだ……」  落ち着け、落ち着け俺。  一度も絡んだことのない好きな子が今目の前に、しかも図書室で二人きりという状況だけど、落ち着け俺。  この状況は、どうして俺を見ているのかを聴くチャンスではないか。 「私で……」  ん? 「私で良かったら、勉強……教えよっか?」 「え、ホントに?」  またも黙って頷く。  学年一位の桂木さんに教えてもらえるなんて、すごい助かるけど……  こうやってちゃんとした会話をするのも初めてなのに、何で教えてくれるんだろ?  ……視線と何か関係あるのかな。 「……じゃ、お願いします」  ま、ともかく、教えてくれるも言うのであれば教えてもらおう。  見ている理由を聴くチャンスがあるかもしれないし。 「そのかわり……」 「?」  隣に座りながら、桂木さんが口を開いた。 「そのかわり、お願いがある」  
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