柑橘系祝福

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「……わかった」  とか思いながらも従ってしまうのが俺である。  携帯から桂木さんにメールを作成。 『今から俺ん家きて。お母さんが呼んでる』  送信して1分も立たないうち返信が着た。 『おばさまが? わかった、すぐ行くね。佐藤君からメール送ってくれたの初めてだからすごく嬉しい。ありがと』  後半の文は返信に必要だったかどうかはわからないけど、すぐに来るみたいだ。  桂木さんがすぐに来ると言ったんだから、ホントにすぐに来るだろうな……。  ピンポーン。  来た。  早いな……まだメール帰ってから5分くらいしか経ってないのに。  玄関まで小走りで行ってガチャッと開くと、走ってきたのか髪は乱れて息を切らしてる桂木さんが立っていた。 「あ、ごめん……呼び出したりして」 「ううん……帰ってた途中だったから……。それで、どうしたの?」 「とりあえず上がって。お母さん待ってるから」 「……うん。おじゃまします」  どこか緊張した面持ちで、桂木さんはゆっくり家に上がった。 「あら、梓ちゃん。いらっしゃい。ごめんね急に呼び出したりして」 「いえ……あ」  リビングに入ると、お母さんはケーキを食べながら桂木さんを迎えた。 「このケーキ、梓ちゃんが作ったんですってね」 「は、はい……。どうですか、お味は?」 「不味い」  ───ッ!? マジかこの人!?
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