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「……どう？」
最初にケーキを渡したときは、恥ずかしくて、美味しくなかったら怖くて逃げ出しちゃったけど……今は、美味しいって言ってもらいたい。
「……」
口に入れても、全く反応を示さない佐藤君。
「……不味い？」
やっぱり、ダメだったかな……。
「……マジックが消えてる」
「え？」
少し驚いた顔をして、佐藤君は私と視線を合わした。
「美味しい」
驚いた顔に笑みを浮かべて、そう言った。
「ホントに……？」
「うん。マジで」
「どれくらい美味しい？」
「隣町のケーキ屋さんのケーキより美味しい」
「桜田スイーツ店のケーキより？」
「うん。ホントにホント」
「……良かった」
深くため息をついて、胸を撫で下ろす。
良かった、美味しいって言ってもらえて。
安心すると、一気に嬉しい気持ちが込み上げてくる。
込み上げている間も、佐藤君は私の作ったケーキを私の前で食べ続けてくれる。
それを見てるともっと嬉しくなって、自然と笑みが浮かんだ。
「どうしたの？」
「え？」
「いや、何で笑ってるのかなぁって思って」
食べている手を止める佐藤君。
口の周りに少しクリームが付いてるのが、今の佐藤君の可愛いポイント。
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