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プ、プ、プ……プルル、プルル……ガチャ。
『はい、こちらストーカー相談コールセンターです』
「あ、あの……ストーカーのことで、少し相談が……」
『はい。失礼ですが、性別と年齢だけ教えていただいてよろしいですか?』
「18歳で男です」
『最近は男の子の被害も増えてるの。悩んでるのはあなただけじゃないわ。私も味方だから、安心して』
「はぁ……」
『辛いと思うけど、いつからストーカーされてるか教えてくれる?』
「えっと……2ヶ月くらい」
『そっか……。誰かわからない人に2ヶ月も。怖かったと思う』
「いや、誰かはわかってるんです」
『え?』
「同じクラスの女の子なんです」
『……あ、そう。……ええっと、今日この番号に電話を掛けてくれたのは、ストーカーに対しての悩み相談。ということだよね?』
「はい」
『……その女の子にさ、直接やめてほしいって言えば良いんじゃない。もし言えないなら、友達経由でも伝えれると思うし』
「いえ、あの……本人にも、友達にも言いづらいことなんですけど」
『……そう。言ってもらっても良い?』
「その……。ストーカーの女の子を、好きになってしまったんですけど、どうすればいいですか?」
『……』
「……」
『んと……何でその相談をこの電話にするの?』
「え、だって……ストーカー相談コールセンター、ですよね?」
『……なるほど。ストーカーに対する被害相談じゃなくて、恋の相談というわけね』
「はい」
『わかった。うん……。それで、あなたとその子は仲が良いの?』
「仲は良いと思います。いつも一緒に帰ってますし」
『友達みたいな感じなんだね。互いを異性として意識してるか重要なんだけど……』
「してますよ。向こうも僕のこと好きみたいですし」
『……そりゃ、ストーカーするくらいだからね』
「ええ、まあ」
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