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「そう黙るなって。で、花火大会どうすんの?」
ボールの縫い目を確認してから投げる降屋。……今の野球部っぽいな。
「どうするって?」
「みかんちゃんに告白するんだろ?」
ボールをキャッチしたまま固まってしまった。
告白……こくはく? コクハク、告白?
「……誰が?」
「お前だよバカ」
うわ、自分より頭の悪い奴にバカって言われた。
「だって2人で花火大会行くんだろ? 告白するにはチャンスじゃんか」
「んー、まあ」
曖昧な返事をしながらボールを返す。
告白なんて……全く考えてなかった。
「え、告白するんじゃなかったの?」
「そんな気全然無かった」
定期的なキャッチボールを今度は降屋が止めた。
「お前さ、男と女が2人で花火見に行ってるんだぞ。普通だったらそのままお持ち帰りだからな」
「……告白、か」
梓に……?
「え、何? みかんちゃんと付き合いたくないの?」
……付き合いかどうかって聞かれたら。
「付き合い、たい」
「だろ? じゃあ告るしかねえだろ」
……そうだな、確かに。いつまでもだらだら友達の関係でいるくらいなら、思い切って告白するべきだ。
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