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「わかった。告るわ、俺」
「男だね~。頑張れよ」
降屋から力強くボールがほられた。
「おう」
それをしっかり受け取る。
告白か……出来るかな、俺。
「で、何て告るの?」
「え? そりゃお前……ストレートに『好きです』でいいだろ」
うわ、何か恥ずかし。
「わかってねーなお前。女ってのはな、無駄にロマンチックな雰囲気を求めるんだよ」
「難しいな……それ」
ロマンチック……。梓もそんなのが好きなのかな。
「わかんねーだろ? 俺がちゃんと教えてやるよ」
その後、降屋からロマンチックについて教わった。
とりあえず2人きりで花火を見るのがロマンチックらしい。どこがロマンチックかはよくわからないけど。
けどやっぱり、ただ告白するだけじゃダメだよな。ちゃんと想い出になるくらいのにしないと。
でも、俺に出来るかな……そこが不安。降屋以外にも相談したいけど、こんな深い部分まで相談出来る人なんて…………いた。
プ、プ、プ……プルル、プルル……ガチャ。
『はい、こちらストーカー相談コールセンターです』
それから田中さんに、ロマンチックとは何かを教わった。
とりあえず夜景の見えるレストランで食後のデザートの前に婚約指輪を渡すのがロマンチックらしい。
田中さんは大人だなって感じた。やっぱ降屋に相談しよ。うん。
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