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黒板に書かれていく白い文字。
間違えられる度に消されていく白い文字。
そして、再び書かれていく白い文字。
先生の説明を退屈に聞いている水波だった。あまりの退屈さに「あぁー…」と大きな欠伸をした時である。
カチッ…。黒板の丁度真上にある時計の黒い針がAM:9時23分をさした。
ドクンッ…ドクンッ…
妙に高鳴る心臓。
背筋を伝う冷たい汗。
目の前には先程まで黒板を背に生徒に授業をしていたはずの先生の変わり果てた姿。そして、クラスメート達。
また、中には逃げまどい、泣き叫ぶクラスメート…。
「うわぁぁぁぁあ!?」
教室に響き渡る大きな声で叫び、椅子を倒し立ち上がる水波。
そんな水波に注目するみんなの姿。
全身にびっしょりとかいた汗。それなのに物凄く寒い。
「あ…れ?みんな…無事なのか?」
(なんだっ…今の妙にリアルな夢は…いや…夢だった…のか…?)
隣にいる桜、そして先生が心配の一言を掛けようとした時である。他の連中が窓の外を見ながらザワザワし始めたのである。
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