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声にならない声を上げた。
当然だ。
目の前にちっさい飛んでる人間がいるんだから。
「何か答えろよ、高橋洋輔。」
「な、なんで俺の名前をっ!」
ちっさい飛んでる人間がいるだけでも俺は気が遠くなりそうなのに、そのちっさい人間は何と俺の名前まで呼んできた。
「俺がお前の担当になったからなぁ。ま、よろしくな洋輔。」
いやいやいや、待て。
「ちょ、えっ?担当って何?しかもアンタ誰?てか人間?何で俺のこと知ってんの?」
「質問多すぎなんだよ。」
頭がよく回らない俺のごちゃごちゃな質問は、たった一言の文句によってかき消された。
「まぁー俺はお前のことなら何でも知ってるぜ。
高橋洋輔26歳、独身一人暮らし、ビールが好物の寂しい人間。最近は仕事場が一緒の小泉遥にほの字…」
「わぁーもういいって!つか表現古いし!」
余計なことまで言い出すちっさい人間に、思わず口を挟む。
「誰か聞いてるわけでもねーのに。小心者な奴だな、洋ちゃんは。」
「何友達気取りしてんだよ。」
ようやくツッコミ出来るぐらいまで回復した俺の頭は、今起こっていることが現実なんだと信号を示す。
ちっさい人間が「ナイスタイミングツッコミーイェァー!」とかなんとか言っていたが、俺はもうツッコミをする気力がなくて無視をした。
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