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本編
「ついに幻の黄金に輝くカブトムシをムシズキの森で見たんじゃ! わしが捕まえてくるから待っているんじゃぞ」
じいちゃんはそう言ったまま、1週間も帰ってこない。
ちなみにムシズキの森というのは、ここから少し離れたところにある、いろいろな虫が昼夜問わず集まってくる森のことだ。
虫好きな人にはたまらない森だからか、いつしかそんな名前がついたらしい。
じいちゃんは黄金カブトムシのことを、「月明かりに照らされて、まるで蛍のように光を放っておった。綺麗じゃったのう」と言っていた。
明日からいよいよ夏休みが始まる。
夏休みになったらじいちゃんを探しに行こうと決めていた。
もちろん黄金カブトムシにも興味がある。
売ったら家が一軒建てられるほどの価値があるらしい。
じいちゃんは今もムシズキの森で黄金カブトムシを探しているに違いない。
さっそく黄金カブトムシについての情報を家族や近所の人たちに聞いて回ることにしよう。
昼がちょっと過ぎてるぐらいだから、父ちゃんはまだ仕事から帰って来てない。
同じ人に2回聞かないようにしよう。
母ちゃん
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兄ちゃん
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妹
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