月に捧げる哀歌

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夜空と恋 あのころの私が好きだったものは あめ玉も水餅もすべて飾りのように 耳の片隅に残っているのに きみにはきみの海のように広い好きな物があって それは海にも浮かびきれないほどでも 二人の好きな物が結ばれるわけではない 二人の海の深さが様々な思いをときに浮かべときに沈めながら 往来する宇宙船のように夜のしじまに言葉となって流れれば それでいいのだから 流れ星を数えて朝を迎えよう 安らかな光跡の余韻を胸に抱いて .
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